2025.05.01
地方議会議員連絡協議会政策セミナーに110人
政治ジャーナリスト田﨑史郎氏が講演
参院選の政局動向を見通し
兵庫県連所属県会、神戸市会、市町議会議員及び保守系議員らで構成する「兵庫県地方議員連絡協議会」主催の地方議員政策セミナーが、4月21日午後4時から神戸市中央区のホテルオークラで行われ、約110人が出席しました。
同協議会は、地方行政の実情を踏まえた政策形成に向けて、国、県、市町議員が連携して取り組むことを目的に、昭和56年に設立されました。
この日は、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が「日本の政治の裏舞台、田中・安倍・石破総理を比較する」と題して特別記念講演を行いました。40年以上にわたる政治記者歴の中で培われた幅広い人脈と長年の経験を踏まえながら、現下の関心事について政府要人との取材を通じて得た感触を盛り込みながら見通しを解説しました。
当日は竹中隆一地方議員協議会副会長が司会進行。冒頭では、協議会会長で県連幹事長の黒川治兵庫県議会議員があいさつに立ちました。設立趣旨を説明しつつ、それぞれの議員が地域や国のために心を一つにして活動するために本セミナーを活かしてほしいと提言。その上で、今夏の参院選における心強い支援を求めました。

来賓あいさつには加田ひろゆき参議院議員が立ち、「兵庫県下を回っている中で地元の事情を一番よく分かっているのは地方議員であると実感する」と述べ、二元代表制の地方自治制度における地方議会議員の重要性を強調しました。
更に、地方議会から国へ上がってきた要望書の取り扱いや、地方議員の待遇改善にもふれ、ポピュリズムに陥らない政策形成と議論が大切であると提起。目新しい事業や人気のある子育て政策だけでなく、下水道管の老朽化対策やごみ処理施設の更新の大切さ、さらには体育館や公民館の耐震化及び冷暖房化など、一見地味ではあるが国民生活に直結する課題に向き合っていかねばならないと訴えました。
その上で「県議会議員を16年やったというのが私自身の経歴における一つの拠り所である」と振り返り、「ワンイシューではない政治というものを兵庫から正々堂々と訴えてゆきたい」と、今夏の参院選に臨むにあたって決意と抱負を述べました。

16時20分から講演に立った田﨑史郎氏は「とにかく政権批判すればいいというのではなくて、徹底的に取材して取材してこれが事実だと思ったことを皆さんにお伝えしていく。政党に関係なく、国民の判断材料となる事実を提供してゆく」と自らのジャーナリストとしてのあり方を語りました。加えて田中角栄元総理、安倍晋三元総理と石破茂総理の政治手法を比較し、今夏の参議院議員選挙における情勢を見通しました。

田中角栄総理、安倍晋三総理、石破茂総理の違い
田﨑氏は45年以上に及ぶ自身の記者生活の中で、凄いと思ったのは田中角栄総理、安倍晋三総理の二人であると述懐。田中・安倍両総理は、人物的にも、総理を担った時代も全く違うが、人を動かす力が非常に強かったという点では共通していたと指摘しました。具体的には、田中角栄総理の人心把握は田中氏の人物的な魅力と金銭面での面倒見の良さに依拠していたことに対し、安倍総理は四年前の総裁選で、自身に「貸し」のある議員に高市早苗候補への投票依頼をしていたと説明。安倍氏は貸し借りの積み重ねの上に成り立つ組織の信頼関係の中で人を動かすすべに長けていたと話しました。
また、二人の元総理と石破茂現総理とを比較し、政策だけでは人が動かないこと、また参院選を夏に控えてトランプ政権や関税問題に向き合わざるを得ない難局をどのように乗り切るかが重要であると述べました。
参院選挙の展望
参院選挙においては、党独自の情勢調査などから自公合わせて50議席。自民党単独で40議席を勝敗ラインとするのではないかと予測。兵庫県選挙区は複数区の中で最も厳しい選挙区になるが、何とか勝ちきれる可能性も残っているのではないかという党選対の見立てについても解説しました。
なお、講演後は数名の議員からの質疑応答にも応じ、ポスト石破の見通しや、参院選兵庫県選挙区における他会派、各陣営の状況についても見解を述べました。
